暗闇でも撮れるカメラでした。

2025年にOM SYSTEM OM-3を買いました。冬のアイスランドに持って行って、2045枚撮っています。

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この記事では、その2045枚の撮影データを全部集計した結果を載せます。カタログではなく、自分が実際にどう使ったかの記録です。

写真には、どのレンズで撮ったか・シャッター速度・ISO感度といった情報が、1枚ずつ自動で記録されています(EXIFと呼ばれるものです)。これを2045枚ぶん集めれば、記憶に頼らずに自分の撮り方が分かります。


選んだ理由

決め手は3つでした。

  1. 防塵防滴であること
  2. 画質
  3. 細かな調整がしやすそうだったこと

防塵防滴については、OM SYSTEM公式によるとIP53とされています。フラッグシップ機と同じ等級です。

ひとつ補足しておくと、IP53の「3」は**防水等級3級(散水)**です。雨に降られる程度なら問題ありませんが、水に沈められる性能ではありません。冬のアイスランドは雨も風も強かったので、この点は実際に効きました。

センサーは有効約2037万画素の裏面照射積層型Live MOS、手ぶれ補正はボディー内5軸で中央6.5段(対応レンズとのシンクロ時は中央7.5段)とされています。

発売日は公式サイトによると2025年3月1日。価格はオープン価格のため定価の掲載がありません。私は定価で購入しましたが、金額は記録していませんでした。


2045枚の撮影データを集計した

アイスランドの10日間で撮った写真を全部調べました。レンズ名は記録されていたとおりに書いています。

レンズはほぼ半々だった

レンズ 枚数
17mm F1.8 II 1041枚
8-25mm F4.0 1004枚

ちょうど半分ずつです。 単焦点とズームを2本持って行って、どちらかに偏ることはありませんでした。

使い分けの意識としては、普段使いが単焦点、画角を変えたいときにズームです。ただし焦点距離の集計を見ると、実際の使われ方はもう少し極端でした。

焦点距離 枚数
17mm 1057枚
8mm 405枚
25mm 71枚

ズームは広角端の8mmが最多で、望遠端の25mmは71枚しかありません。8-25mmは35mm判換算で16-50mm相当なので、そもそも広角寄りのレンズです。アイスランドでは「広く入れたい」場面が圧倒的に多かった、ということだと思います。

夕日を受けた柱状節理の断崖と、黒い砂浜、沖に立つ尖った岩

数少ない望遠寄りの1枚がこれです。20mm(換算40mm)、ISO200・F4・1/1000秒。柱状節理の断崖と沖の岩を、少しだけ引き寄せて並べています。広角のままだと、この2つは離れすぎて締まりませんでした。

滝の裏側から。左半分に水のカーテンと明るい空、右半分は岩壁の暗いシルエット

これが8mm(換算16mm)で撮った1枚です。セリャラントスフォスという、裏側に回り込める滝でした。手前の岩は真っ黒、奥の空は明るいという極端な条件ですが、水の質感は残っています。

黒い砂浜に透明な氷の塊が点在し、奥に朝焼けの空と波

こちらも8mmです。黒い砂と透明な氷、明るい空という組み合わせで、明暗差はかなりあります。それでも砂の粒や氷の質感が潰れずに残りました。ISO200・F5・1/50秒でした。

地熱地帯。地面から白い蒸気が幾筋も立ち上り、奥に青い空が広がる

同じく8mmで、地熱地帯の蒸気です。白い蒸気が飛ばず、階調が残っているのが分かると思います。ISO200・F9・1/100秒。

夕暮れの斜光を受けた山。斜面の草地が金色に染まり、稜線の向こうは影になっている

夕暮れの斜光が当たった山です。ISO200・F6.3・1/80秒(構図の都合でトリミングしています)。

光が当たっている草地はオレンジ、日が回っていない岩肌は暗く沈む、という差の大きい場面ですが、暗部の岩の凹凸が残りました。夕方のこういう光は短時間で消えるので、設定を詰める時間はありません。撮って出しでこの状態なら十分だと思います。

日ごとに使うレンズが変わっていた

日程 傾向
1〜2日目 17mmのみ
5〜7日目 8-25mm主体
9〜10日目 17mm主体

前半の街歩きは単焦点1本、中盤の景色を見に行く日はズーム、後半でまた単焦点に戻る。意識してはいませんでしたが、行き先に合わせて自然と持ち替えていたようです。

単焦点は背景がよく溶ける

機内のテーブルに置かれた紙コップと、手前の毛糸の羊のマスコット。背景の座席は大きくぼけている

17mmで、F2.5・ISO500。背景の座席がしっかりぼけています

風景ばかり撮っていたつもりでしたが、こういう手元のカットも単焦点だと簡単に決まります。広角ズームのF4では、ここまでは溶けません。


夜がとにかく良かった

一番良かったのは画質、なかでも夜景です。露出を変えながら撮ると、かなりきれいな絵が出ます。

分かりやすい例が、大晦日の花火でした。

夜空に大きく開いた白い花火と、左手前にそびえる教会の塔

17mm F1.8で、ISO250・1/15秒。真っ暗な空に強い光が入る場面ですが、花火の粒が潰れず、教会の壁も黒に沈みきっていません。暗いからといってISOを上げ切る必要がなかったのは、明るい単焦点のおかげだと思います。

そしてアイスランドではオーロラが出たので、そこで撮ったものを載せます。1秒以上の長時間露光が80枚ありました。三脚を使っています。

街の明かりの上に、緑のオーロラが斜めに広がっている

これは17mm F1.8で、1秒・ISO1600。F値の数字が小さいほどレンズは明るく、短い時間で撮れます。単焦点だとこの短さで済みました。

夜空に緑のオーロラが1本の帯になって垂れ下がり、下に街の明かりが並ぶ

こちらは8-25mm F4で、20秒・ISO400

同じ夜の同じ空でも、F1.8なら1秒、F4なら20秒。露光時間が20倍違います。数字として知ってはいても、並べてみると差がはっきりします。ISOを下げてノイズを抑えたいなら長く開けることになり、そのぶん三脚が要る、という関係です。

街の上空に、緑のオーロラが太い柱状に立ち上がっている

同じく20秒・ISO400。星も点で写っています。

オーロラの下、手前を歩く人がぶれて半透明に写っている

こちらは8秒・ISO400です。露光中に人が横切ったため、その人だけが流れて半透明になりました。長時間露光では避けようがない現象で、逆に言えば何秒開けているかがそのまま絵に出ます。

ISO全体では中央値320でしたが、1600以上が629枚ありました。冬のアイスランドは日照時間が短いので、必然的に高感度を使うことになります。


手ぶれ補正が効いていた場面

飛行機の窓から見た夜明け前の街。雪の地面に道路の明かりが線になって伸びている

着陸前の機内から撮った1枚です。17mmで、ISO1000・F2.5・1/15秒

1/15秒を手持ちで、しかも揺れる機内で撮っています。**ボディー内5軸手ぶれ補正(中央6.5段)**という数字を最初にスペックとして引きましたが、それが効いているのはこういう場面でした。三脚を立てられない場所ほど、この差は大きいと思います。


不満点は特にない

正直に書くと、不満らしい不満がありません

レビュー記事としては物足りない結論かもしれません。ただ、買った理由(防塵防滴・画質・調整のしやすさ)がそのまま満たされているので、書けることがないというのが実際のところです。

強いて挙げるなら次の項目ですが、これはカメラの問題ではありません。


RAWをほとんど使っていない

集計していて自分でも気づいたのですが、2075枚のうちRAW(ORF/ORI)は30枚だけでした。残りは全部JPEGです。

これは意図した使い分けではありません。単純に、RAWとJPEGの違いをよく分かっていないというのが理由です。

「細かな調整がしやすそう」という理由で選んだカメラなのに、撮った後の調整余地は捨てている。書いていて矛盾に気づきました。夜景で露出を追い込むような撮り方をするなら、RAWを覚えたほうが得なのは間違いないと思います。

ここは次の旅行までの宿題にします。


スペック

OM SYSTEM公式の仕様より抜粋します。

項目 内容
センサー 有効約2037万画素 裏面照射積層型Live MOS
手ぶれ補正 ボディー内5軸・中央6.5段(シンクロ7.5段)
防塵防滴 IP53
発売日 2025年3月1日

3台の使い分け

カメラを3台持っていて、役割が分かれています。

機材 役割
OM-3 写真
DJI Osmo Pocket 3 構えて撮る動画
Insta360 GO Ultra 首から下げて撮りっぱなし

OM-3は完全に写真専用です。動画は他の2台に任せています。

前に書いたInsta360 GO Ultraのレビューに、GO Ultraが撮っていた「OM-3を構えている自分の手」という写真を載せました。あれがこの3台の関係をよく表しています。写真に集中している間、動画は勝手に回っている。

3台をまとめて比較した記事も書きました → 旅にカメラを3台持っていく理由


まとめ

  • 2025年に購入。決め手は防塵防滴(IP53)・画質・調整のしやすさ
  • IP53は雨は平気だが水没は不可。冬のアイスランドでは十分だった
  • アイスランドで2045枚。レンズは17mm単焦点と8-25mmズームでほぼ半々
  • ズームは広角端の8mmが最多。望遠端の25mmは71枚だけだった
  • 手持ち1/15秒でも撮れた。**5軸手ぶれ補正(中央6.5段)**は機内など三脚が使えない場所で効く
  • 一番良かったのは暗いところ。大晦日の花火はISO250で撮れた
  • オーロラは三脚使用で、1秒〜20秒の長時間露光を80枚撮った
  • F1.8なら1秒、F4なら20秒。同じ空でも露光時間が20倍変わる
  • 不満点は特になし
  • ただしRAWをほぼ使っていない(2075枚中30枚)。これは自分の課題

「明るい単焦点1本で夜まで撮りたい」「悪天候でも気にせず持ち出したい」という使い方なら、噛み合うカメラだと思います。

旅程そのものは冬のアイスランド旅行記に、オーロラを見に行くときの装備は持ち物リストにまとめています。